成年後見とは
成年後見とは,本人が一人で日常生活を送ることができなかったり,一人で財産管理ができないというように,本人の判断能力が全くない場合です。その場合, 家庭裁判所が後見開始の *審判をするとともに,本人(成年被後見人)を援助する人として成年後見人を選任します。
成年後見人は,本人の財産を管理するとともに,広範な *代理権及び *取消権を持ちます。したがって,本人に代わって様々な契約を結ぶなどして,本人が日常生活に困らないよう十分に配慮していかなければなりません。申立てのきっかけと なったこと(遺産分割をする,保険金を受け取る等)だけをすれば良いものでは なく,成年後見人は,本人のために活動する義務を広く負うことになります。これは通常の場合,本人が亡くなるまで続きます。
なお,後見が開始すると本人の印鑑登録は抹消され,医師,税理士等の資格や会社役員の地位も失います。
*審 判:家庭裁判所が出す判断で裁判の一種。その内容が記載された書面を「審判書」という。
*代理権:本人に代わって,本人のために取引や契約等を行う権限
*取消権:本人が後見人等の同意を得ないで重要な財産行為等を行った場合,後見人等がその行為を無効なもの とし,原状に戻す権限
参考:東京家庭裁判所 成年後見申立ての手引 引用